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三国志(無双etc)に関して萌えを吐き出す場所。現在ムソ6司馬家萌え。
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晋の人たち

ぱちぱちありがとうございますv レス不要のコメも本当に嬉しいですv(≧∇≦)v 私も昭師大好き!!
司馬家のメンツをはじめ、晋はホントいいキャラ揃ってますよねv
というわけで、続きからは昭師とそれを取り巻く晋の人たちをちょこっと書いてみたSSS詰め合わせです。
ちなみに、司馬家以外の晋のメンツイメージは、

元姫:オトコマエ女神
鄧艾:癖のある人に懐かれる苦労人
諸葛誕:わんわんお!
鐘会:ぼっち無双vv(けどそこが魅力)
郭淮:お花さん

SSSに一瞬夏侯覇出てきますが、覇は脳内分類では蜀の人。


自室に入った途端、鄧艾は言葉に詰まった。
司馬師が壁一面に設えた書棚の前に立って、黙々と己が編纂した地図を見ている。
来客、まして司馬師が来ているのなら、呼んでくれればいいものをと思ったが、当の司馬師がそれを断ったらしかった。

「鍛錬中だと聞いたのだ。急ぎではないから待たせてもらった。おまえの編んだ地図を、一度じっくり見てみたかったしな」
「はい」

控えめに応えながら、鄧艾は対処に困った。
汚いとまでは言わないが、殺風景で味気ない部屋に司馬師の存在は異質すぎた。
そこだけ光を放っているように見える。
生まれながらにそういう存在が居るのだと鄧艾は知っていたが、目の当たりにするのはあまり得意ではなかった。
そんな心情などお構いなしに、司馬師は頁を捲り続ける。
剣を握るとは思えない白くたおやかな指先に、ふと司馬懿の姿が重なった。

「それにしても良く出来ている。父上が誉められるだけのことはあるな」
「え?司馬懿様が?」
「ああ。おまえの地図が何よりも信頼できると仰っていた」
「そうですか・・・!」

普段表情のあまり変わらない浅黒い肌に、はっきりと喜色が浮かぶ。
その様子に司馬師はふっと目を細めた。

「更に励めよ。父上はおまえに期待されている」
「はっ!」
「・・・昭も、少しはおまえの勤勉を見習うと良いのだが」

上に立つ者の顔からふと兄の顔になって、司馬師は小さく息をついた。

「何かといえば面倒くさいと口にする。身体ばかり大きくなって仕方のない奴だ」
「ですが、子上殿は、ここぞというときにはとても頼りになられます」

高揚して少しばかり気が大きくなった鄧艾は、思っていることをそのまま口にする。
切れ長の眸が僅かに瞠られて、人形めいた美貌に温かみのある微笑みが広がった。

 



「どいつもこいつも、どうしてあの旧式ばかり持て囃すのだ!」

がしゃんと何かが投げられた音と苛立った声が耳に届く。
鳥の囀りを楽しみながら庭を散策していた元姫は、柳眉を顰めて足を止めた。
庭石に向かって八つ当たりをしている細身の後姿。
誰なのか確かめなくても知れたことだが、振り上げた剣が梅の木を傷つけかけたのに黙っていられなくなった。

「鐘会殿。庭木を傷つけるのは感心しない」
「元姫殿!いえ、別に傷つけるつもりなどありませんよ。勘違いなさらないでください」
「それなら別にいいのだけど」

そっけなく応えて、踵を返す。その背に慌てた声がかかった。

「元姫殿、司馬昭殿はどちらにおいでかご存じですか」
「子上殿なら、駿馬が入ったとかで先ほど厩舎に見に行かれた」
「駿馬ですか。あの方は喜びそうですね。まぁ、私は馬術も極めていますから、馬を見る目もあるんですよ。せっかくですから見て来ますか」

それに今度の戦の策、もう一度考えを改めてもらわねばと。
噛み締めるように付け足して、鐘会は厩舎の方向へ小走りに駆け出す。
どうせ、鄧艾と自分の提案を秤に掛けられて負けたのだろう。
おざなりに目を向けて、元姫は小さく溜息をついた。
秤に掛けたのは、司馬懿か司馬師か。
何れ、司馬昭には意見を覆す気などあるはずもない。

「”選ばれし人間”はいろいろ大変ね」

辛辣な独り言が漏れる。
いつになったら、鐘会は選ばれてなどいないと気づくのだろうか。
真に選ばれた人間など、この世に僅かしかいるはずもないのに。
脳裏に義兄となる人を思い浮かべる。
そういえば子上殿もいろいろ大変ね、と。
思い出したように付け加えて、薄紅の唇を綻ばせた。

 



優れた人物が集まる司馬家の中でも、司馬師ほどすべてにおいて優れた人はいないと諸葛誕は常日頃から思っていた。
頭の出来はもとより、端正な容姿に内面の高潔さが現れた優雅な挙措。そのうえ天賦の才に甘んじず、日々の研鑽を怠らない自律性。
完璧だと思う。
肉まんに目がないのも、むしろ人間味ある可愛らしさだ。
見た目は如何ともし難くとも、自分もせめて内面はああ在りたいと強く思っている。
この方に仕えることが出来たのは、なんと幸運なのだろう。
だと言うのに。

「おっと、悪ぃ!」

人を突き飛ばして強か柱にぶつけておいて。
適当に謝っただけで、そのまま回廊を駆け出そうとする大男。
優雅さの欠片もなく、粗野で粗雑でいい加減で。
司馬師の実弟とは信じられない、気儘で怠惰癖のある、

「司馬昭殿・・・廊下を走られると怒られますよ」
「なに兄上みたいなこと言ってんだよ。ってか、急いでんだよ。兄上が怒ってるんだ、捕まったらどんだけ長い説教されるか」
「また貴方は何をしでかしたのですか!?」

思わず苛立った声が出る。
司馬昭はへへへと笑っただけで、結局何も言わずに走り去った。
もしも自分が彼の立場なら、司馬師を陰日向に補佐し、怒らせるようなことなど絶対しないのに。
知らず唇を強く噛み締めていたらしい。
顔を合わせた夏侯覇が、口元血だらけだぞと目を丸くした。

 



郭淮はよく、自室に白い花を活けている。
花が好きなんだろうと司馬昭は単にそう思っていたが、いつも白い花なのが気になって、ある日雑談に尋ねてみた。

「夏侯淵将軍が、白い花がお好きだったのです」

病身で蒼白い膚をした郭淮は、少し血の色を良くしてそう答えた。

「あんた、本当に夏侯淵殿を慕ってたんだな」
「過去形ではありません。現在も、なのですよ、司馬昭殿」
「今も?」
「はい。私の中で、あの方はまだ生き続けておられますから」

少し寂しげに、けれども幸せそうに微笑む。
その姿に、司馬昭の精悍な顔が奇妙に歪んだ。

「・・・あんたは強いな、郭淮」
「え?」
「大切な人を失くして、それでもそうやって微笑んでるなんて」
「強くなどありません。ですが、私が生き続ける限りあの方も生き続けるのだと。あの日から、そう思うことにしたのです」

思い出の中に立ち止まっていても、あの方はきっと喜んではくれないでしょうからと。
静かに、でも力強く続いた言葉に榛色の眸が暗く曇った。

「・・・・・・俺は駄目だ。絶対に、無理だ」
「司馬昭殿?」
「ああ、いや、なんでもない。なんかちょっと変な想像しちまった。じゃあ、郭淮。夏侯淵殿のためにも、健康に気をつけて長生きしないとな!」
「はい、そうで、ゲホッゴホゴホッ」
「おいおい、言ってる傍から!」
「だ、大、丈夫、です」

脳裏によぎった想像は、常日頃付き纏う不安の現れ。
骨ばった薄い背をさすってやりながら、司馬昭は己の弱さから目を逸らした。

 



不思議なことだと、司馬師は思う。
彼の弟は、明るくて人懐こくて、めんどくせが口癖でも、実際は何事にも畏れることがない。
きっと本能で知っているのだ。
自分が心底から望んで、手に入らないものなどないということを。
なぜなら、そのために手を尽くす存在があるから。
兄である司馬師が、彼の望みを叶えてしまうから。
幼い頃はそれが当たり前のことと疑いもせず、長じてからもその在り方を正そうともせず。
司馬師は必要以上に言葉にすることも、態度で示すこともなかったが。
それでも弟は知っている。
自分の望みが、叶わぬことなどないということを。
それなのに。

「兄上・・・」

心細そうに縋ってくる大きな体。
先ほどまで散々、実の兄の身体を好き勝手に貪っていたくせに。

「兄上、すみません」

束縛の指跡が赤く残る手首に唇を寄せて。

「また、無理をしてしまった・・・」

すみません、でも俺を嫌わないで、と。
続く言葉に、司馬師は疲労に倦んだ眸を向けた。

「嫌うくらいなら、初めから許しはしない」

今更当然のこと。
口にすれば、榛色の目から怯えの気配がようやく薄らぐ。
安堵したように微笑む弟に、司馬師は不思議なことだと繰り返し思った。
いったい、何を畏れるというのか。
どんなことがあろうとも、彼は己の弟だというのに。



 

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